

時代の語り部と呼ばれ、昨年の8月に70年の生涯に幕を下ろした、作詞家 阿久悠。 この作品は、世に送り出した楽曲が5000曲ともいわれる、阿久悠の作詞家人生を追いながら、 歌謡曲が最も華やかだった時代の知られざる人間模様を描いた実録ドラマである。
阿久悠がその企画立案に参加し、 その後の歌謡界に計り知れない影響を与えたオーディション番組『スター誕生!』の誕生の秘密とは? 『スター誕生!』から生まれた花の中三トリオ、森昌子、桜田淳子、山口百恵の活躍秘話とは? 日本中に旋風を巻き起こしたピンク・レディーの数奇な運命と阿久悠の野望とは?
歌謡界に興味がある人はもちろん、興味のない人にも気になる驚きのエピソードが次々と明らかになる。 また、当時の懐かしい秘蔵映像や音楽も登場する。
この作品は長田勇市氏が撮影監督をつとめられました。
取材させていただいた日の撮影はあの名番組 「スター誕生! 」の制作室。長田さんの現場は、何度かお邪魔していますが珍しく照明はアベイラブル(照明機材を使わずその場にある光源を使う)でした。特別に照明をしていないように見えるカットが実は細かく照明を当てていたり、このカットの照明は絶妙に作りこんでいるな、と思ったら、そうでも無かったりと実に奥が深いのが照明です。

■監督は皆さんご存知『デスノート』の金子修介氏、
作品に登場する往年のアイドル達に思い入れが強い金子監督のこだわりが現場を引き締めていました。
ある大物女性歌手のデビューシングルのジャケットが 「本物と違うのでは? 」という監督の指摘に、美術スタッフさんが確認したところ、まさしく用意したものはシングルと同タイトルで発売されたアルバムのジャケットだったのでした。(若いスタッフさんには気づかないかも)

■更にはカメラアングルによって空いてしまった壁の余白に、急遽、時代設定に合ったポスターを用意することに・・・。
当時のランキング雑誌をめくって 「大丈夫です!合ってます 」と確認作業。監督のインスピレーションとこだわり両方を満たすべく大奮闘の美術スタッフさんでした。その他の小物についても細部までリアリティーを追求していました。
しかしこのこだわりは作品の価値を左右するものなので、監督の妥協はありません。

■そんなこだわりを記録するカメラはAG−HPX555が2台、サブカメラでHVX205A、更に取材当日はお目にかかれませんでしたが作品中のブラウン管に映し出される画像などはAG−DVX100、100A、100Bとパナソニックの業務用カメラが総動員です。このシーンはあのカメラでは?などと推測する楽しみもあるかも。
更に長田氏のこだわりはマスモニにも、ずらっとパナソニックのモニタが並ぶ画は下の写真を参照してください。

■カメラオペレーターの伊藤潔さん長田氏率いるCPメンバーでは無いものの、長田さんの前作から引き続き参加ということで、息も合っているようでした。壁のポスターからテレビのブラウン管へズームしながらの斜めパン。はじめは電動ズームを使っていたところ、滑らかさが無いということで、長田さんから「手動で」との指示、色々な要因で何度か同じオペレーションをすることになったのですが、毎回ブラウン管をきっちり中心に捕らえ、サイズもぴったり、さすがにプロの技と恐れ入りました。

■取材日の締めはCP永森芳伸カメラマンのステディカム登場。一日の終盤に重いステディカムでの撮影いつものことながらプロの厳しさを見せ付けられます。シーンは番組制作室に飛び込んで来る主人公、部屋の中の喧騒はテレビ画面を注視する局員たち、その視線の先ではまさに王選手が756号ホームランをかっ飛ばし、ベースを一周しようとしている。そこに主人公の背後からテレビ画面そしてそれを取り巻く局員にカメラが回り込む。局員達の騒ぎ、テレビの画面、主人公の入りのタイミングなど、難しいシーンでしたが3テイクほどで成功。無事一日の撮影が終了しました。
この作品は2008年8月1日(金)午後9時3分〜11時24分 日本テレビにて放送されます。お楽しみに。
取材に協力してくださった、金子修介監督、長田撮影監督、スタッフの皆さまに感謝いたします。(2008.7.23)









