HOME >> ユーザースタイル >> 田中しげみさん 水中撮影レポート 第1回

水中撮影レポート 連載第1回 ダイビングクルーズの巻
(タイ・シミラン諸島 2006/4/23〜2006/4/27)

水中撮影のため、タイへ行くことにしました。
当初は1週間の予定でしたが、4/23〜5/19までの28日間に延長。
はじめの5日間はプーケット、その後はタオ島へ。タオ島でのホテルや行動スケジュールは全て未定です。
とりあえず飛行機を手配したので、後は現地でなんとかしなければなりません。
 
延長を決定したのが出発日の4日前。
カメラ、水中ハウジングの手配、ノート型mac購入など、 慌てて準備に取り掛かります。
1週間の「旅行」と、1ヶ月の「滞在」とでは準備のたいへんさが全然違うものなのだと痛感。
最後は徹夜で準備し、リムジンに乗り込みました。

水中撮影のカメラは
そして水中ハウジングにはDIV社製のものを持っていきます。
その他に、ダイビング器材、ウエットスーツ、パソコン、DVテープ50本など、合計で40kgにもなりました。
逆に40kgで済んだのは、カメラがプロ仕様のものにも関わらず、コンパクトだったことに尽きると思います。
AG−DVC30 は、付属の着脱式ハンドル、アイカップ、レンズフードを外すと、びっくりするほどコンパクトになりました。
DIV社製の水中ハウジングです。
耐圧水深は60m。
映画「レインボードライブイン」で使用されたモデルです。
 
取っ手がネジで取り外せるようになっています。
本体は透明なアクリル製でできているので、水没チェックがしやすく、カメラの異常にすぐに気づくことができます。
 録画はボタンではなくスライドスイッチなので、ストレスのないRECが可能でした。親指でRECスイッチを常に押さえておき、被写体を捉えたままRECボタンのON-OFFをすることができます。
このON-OFF切り替えが多い水中撮影では、スイッチの操作性がとても重要になります。
 その他、電源スイッチ、ズームねじ・ホワイトバランス・USER1−3のボタンがあり、それぞれ水中での操作が可能です。
 
右側のフックは流れ止め用。
BCD(浮力調整ジャケット)とカメラをつなぎます。
「激流で カメラが流された」という話を聞いたことがあるので、これは安心材料として使用しました。
フロートを上げる時など、水中で両手を使わなくてはならない場合、手を離すことができるのは、便利です。

DVテープ50本はプラスチックケースだけでも重量を取るので、ケースは外し、テープのみタッパの中に入れて
持って行くことにしました。
シリカゲル(乾燥剤)を入れて。
 
心配していた結露ですが、問題はなかったです。
気温が33℃、水温29〜31℃と、気温と水温の差がないからでしょう。
気温が暑く、水温が冷たい場合は結露は生じやすくなります。 また、クーラーが効いた室内から外に持っていく場合も結露が発生するので、クーラー使用は控えました。
プーケットから北西約100kmのシミラン諸島&スリン海域まで4泊5日、1日3〜4本、合計14回潜ります。
 
思えばこの海で2003年、マンタに出逢い海中で感激の涙。
私は完全にこの時ダイビングに魅了され、会社を辞めダイビングのプロ資格を取るまでに至ったのでした。
 
またこのアンダマン海一帯は、2004年12月26日、津波の被害を受けた地域でもあります。
私も偶然その時にタイに滞在していましたので、今回の再訪問は特別な思いがありました。
以前クルーズで潜ったポイントが潜れなくなってしまっているというのを聞いた時はショックでしたが、
サンゴ達もプーケットの街も、立派な復興を遂げていることが感じられ、現地の人たちの必死な努力に、改めて頭の下がる思いでした。
 
今回乗船したダイビングクルーズ船、MVマリンクエスト号。
 全長30m横幅7m、全室トイレ&シャワー付の快適クルーズ船です。 定員22名のところ日本人5人の貸切状態でした。
朝起きて潜って、食べて、寝る・・・。この繰り返しです。
クルーズ中は、うねりで船が大きく揺れ、また津波がきたのでは?と一瞬思ってしまうほどでした。
食事中もお皿がざざざ〜っと流れて、飲み物がひっくり返る状態です。
そんな状況でも、私たち一行は、横になりながらまったりと海上の生活を楽しみました。
 
「おお。これがシミランの醍醐味か」
・・・雨季に入ろうとするシミランの一面を味わえたようで、
なんだかうれしかったです。

そんな状況なので、メインの船からボートに移動するのもサバイバル。
写真のように波しぶきが上がる中のエントリーです。
カメラを入水する時はさぞ、たいへんだろうと思っていましたが、これはとても楽でした。
自分が入水してから、ボートの上からカメラを受け取ります。
 
これがビーチダイビングだったらたいへんです。入水するまで重いカメラを運ばなくてはならず、そしてカメラの敵・日光を避けるのに一苦労です。
 
ダイビングクルーズは、水中撮影に最適の環境だと言えるでしょう。
さて、水中撮影。
全てが試行錯誤でした。
 
1本目のチェックダイビングではカメラにウエイトを取り付けないで潜ってみましたが、浮力の力は相当なものでした。
カメラを押さえているだけで必死です。
そこで写真のようにハウジングの下部に1kgのウエイトをくくり付けました。
 
私にとってこのカメラ使用時の適正ウエイトは、カメラに1kg、自分の腰にもプラス1kgウエイトが必要だということがわかりました。
ただ、同じウエイト量で潜っても海況によって「今日は浮き気味だ」とか「今日は重い」などと感覚が変わることも実感しました。
その場合、BCD(浮力調整ジャケット)による空気調整や、自分の呼吸の深さで調整することになります。
 
ウエイトが重すぎると、撮影している間どんどん深みに行ってしまいますし、軽すぎると体が浮いてしまったり、うねりの力に負けて画像がブレます。
 
水中撮影はウエイト調整がとても大切です。
アンダマン海域では、ヨーロピアンダイバーの中ではグローブ着用を禁止するほど、サンゴや水中生物を保護していこうとする動きがあります。
私自身、そういったダイビングスタイルに賛同し、
サンゴや水中生物に触れないように気をつけました。
でも、この流れやうねりの中では、なかなか難しいものです。
着底せず撮影する技術(中性浮力)が必要となります。
 
水中撮影には撮影技術+高いダイビングスキルが要求されるものだと、改めて水中撮影の奥の深さを実感しました。

トラフザメ、マンタも撮影。
 
期待していたジンベイザメに出逢うことはできませんでしたが、それは次回のおたのしみにとっておくことにします。
 
なかなかタフなクルーズでしたが、なぜかまた、リピートしたくなる魅力にあふれた海です。
下船した私たちは、タイスキを食べて解散しました。
 
翌日、プーケット(ワゴン車)→スラタニ(ナイトボート)→タオ島までのチケットを購入。
 
40kgの荷物と共に、タオ島へ出発です。
17時間のタオ島へ向けての旅がはじまりました。
 
 
【次回へつづく】

田中しげみ プロフィール
hand SOME woman (ハンサムウーマン)代表 

神奈川県横浜市生まれ
大学卒業後OL、オーストラリア小学校での
日本語教師などを経て、ダイビングの世界にのめりこみ、単身タイへ。
水中撮影と出会う。
一般のゲストを撮影し販売するというヨーロピアンスタイルに衝撃を受 け、
イギリス系水中撮影会社でトレーニングを受ける。

帰国後、映像プロダクション’ハンサムウーマン’設立。
映画カメラマン 能勢 広氏に師事。
学園ビデオ・ブライダル・ライブ撮影等、陸上の撮影もこなす。

OL時代、広報部CSR課(企業の社会的責任)で働いた経験を生か
し、人と環境に特化したカメラマンをめざす。
目下、海中出産ドキュメンタリー撮影などを計画中。

PADI ダイブマスター Emergency First Response
Speciality Diver-Underwater Videographer
極真空手3級


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